オープンソースの活用をするなら

「ワード」など 国は購入せず - NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/2007/07/02/d20070701000142.html

国は、こうした購入のしかたは公平性に欠け公共機関として認められないなどとして指針を作り、1日から運用が始まりました。指針では、新たに購入するソフトはISOなどの国際的な規格や国内のJIS規格に基づいた製品を優先するとしています。最も広く使われているマイクロソフト社の文書や表計算のソフト「ワード」や「エクセル」は、現段階ではこうした規格に沿っていないため、業務に支障がある場合などを除き原則として今後購入できなくなります。

まぁ突っ込みどころがいくつもあるニュースですが、この指針とは、以前に本ブログでもこの記事で紹介しました、「情報システムに係る政府調達の基本指針」によるものと思われます。

おそらくWord、Excelは不可としている根拠はこの部分と思われます。

(3)オープンな標準に基づく要求要件の記載
調達仕様書の作成に関与した事業者が、特定事業者による独自技術を前提とした調達仕様書を作成した場合、分離調達によって情報システムを構築しても、その情報システム全体が特定事業者による独自技術に依存してしまうおそれがある。こうした事態を避けるため、設計以降の調達仕様書の作成に際しては、要求要件の内容が中立的なものとなっているかどうか
を適切に確認することとし、ハードウェアとソフトウェアの分離調達に伴う稼動確保のために特定の商標名を記載する必要がある等の合理的な理由がある場合を除き、特定の具体的な商標名等を用いた要求要件を定めないこととする。
具体的には、原則として、独自の機能、独自のデータフォーマット及び独自の方式を使用せず、国際規格・日本工業規格等のオープンな標準に基づく要求要件の記載を優先する。
また、要求要件として提示することが必要な機能を列挙する等により、特定のハードウェア及びソフトウェアについて有利な要求要件の記載とならないようにする。
(略)
「オープンな標準」とは、原則として、?開かれた参画プロセスの下で合意され、具体的仕様が実装可能なレベルで公開されていること、?誰もが採用可能であること、?技術標準が実現された製品が市場に複数あること、のすべてを満たしている技術標準をいう。

要は国際規格・日本工業規格等のオープンな標準に基づく要求要件の記載によるということです。Microsoft Wordの保存形式は当てはまりませんので不可、ということなのでしょう。

オープンな標準規格というのはOpenDocument方式(ODF)を想定しているのでしょう。文書作成ソフトでいえば、OpenOffice.orgは対応していますし、一太郎もモジュールを別途インストールすることによって対応しています。

ですが、実はMicrosoft Wordでも対応可能だったと思うのですが・・・。
Microsoft Word」XP/2003/2007用の“OpenDocument”対応アドインが正式公開
http://www.forest.impress.co.jp/article/2007/02/05/word_odt_addon.html

英語版でも日本語を含む文書を扱うことができるようです。ExcelPowerPointは11月のリリース予定となっています。これで調達要件を満たさないはずはないでしょうね。別途ツールを入れる必要が出てくるのは、一太郎も同じことですから。

ただ問題だなぁと思うなのは、このことが政府調達に関する問題だけに限定されてしまっていることです。

国を挙げてオープンソースの活用をうたっておきながら、調達だけ適正化したと言って、結果としてすべてのファイルがjtd形式で作成されたら意味がないでしょう。

大事なのはこのOpenDocument方式のファイルの使用を義務づけることです。主旨に従うなら、使うべきなのはdoc形式でも、jtd形式でもありません。そうでなければ、国の文書配布形式に縛られて、自治体の調達は適正化できないのです。

政府機関すべてをあげて、そのことが果たして徹底できるでしょうか?